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■24917 / )  Re[5]: シェアウェアについて
□投稿者/ れい (778回)-(2008/09/12(Fri) 06:25:45)
2008/09/12(Fri) 06:40:27 編集(投稿者)
2008/09/12(Fri) 06:37:21 編集(投稿者)

> ボブ・ウォレス(Bob Wallace)が1983年にワープロソフトPC-WRITEを、"Shareware" と命名して販売したことに始まる。
(Wikipediaから引用

#そもそも日本語が変。PC-WRITEは「PC-WRITE」と命名されてるはずです。

ボブ・ウォレスがsharewareに果たした貢献を否定するわけではないですが、
ウォレスの言う「shareware」の「share」はおそらく皆の想像と違う「share」です。

「PC-WRITE」を持っていた人なら知ってると思いますが、
「紹介料」で儲ける、ネズミ講に近いシステムになっています。

寄付をした人はウォレスからIDを受け取ります。
他人に渡す際には、自分のIDを配布元として添付します。
新たに寄付する人は寄付の際に配布元IDを連絡する必要があり、
寄付金の一部が配布元に還元されます。

なので、みな自分のIDで使ってもらおうと、会社中のPCにインストールしたり、
PC-WRITE内の配布元IDを書き換えるウィルスが出たり。

そんな感じでウォレスは大儲けしたらしいです。

ちなみに、
1970後半から1980前半はアメリカや日本でマルチ商法やネズミ講が大流行した時期でもあります。

ちなみに、
マルチ商法の謳い文句は日本では「皆で利益を共有・還元」であることが多いですが、
英語でも同様に「share」や「cyclic」、「reduction」などがよく使われます。
「Share the profit!!」とかね。

マルチな料金システム+マルチな時代背景+「share」は謳い文句。
これだけ条件がそろっていて、
「shareware」の「share」を「使用することをshareする」「配布する」と解釈するのは困難です。

PC-WRITEの場合、sharewareの「share」は「ソフトウェアと売り上げを共有する」です。
今我々が使うsharewareと全く違います。

いま慌てて探した手元の1987年の日本語の資料によると、(おそらくI/O誌のコピー)
「シェアウェアはソフトウェアの形態として米雑誌(Intelligent Machines Journal誌)で掲載されたいくつかの分類のひとつ」で、
「開発費用を複数人、複数者で分担して開発する方式」が元で、
「最近ではそれが転じて気に入れば料金を払う形態のものが多い。普通は無料で入手できる」
とあります。

Intelligent Machines Journal誌は「Wikipedia」によると1980にInfoWorldに改名しています。
ならば、Sharewareは1980以前、IBM-PC以前からある単語です。

ウォレスのPC-WRITEはIBM-PC用で、1983年に公開です。
つまり、起源ではありえません。


sharewareという単語が大々的に使われるようになったのは
米国のどこかの雑誌かコミュニティが使い始めてからです。
名称は忘れましたが、確かコンテストか何かで「一般公募」したと聞いています。
「shareware」という名称が選ばれた理由を考える必要があります。

当時の有料ソフトウェアが「PC-WRITE」の様な紹介料システムのものばかりであったとは思えません。

「PC-WRITE」の独特な料金システムを、他のソフトウェアの料金体系の名称として使うというのはおかしな話です。
当時から「PC-WRITE」が代名詞となるほど有名であったとするなら、
その料金システムも有名なはずで、ならそれを一般名詞には使わないでしょう。
「PC-WRITE」が有名でないなら、「PC-WRITE」の「shareware」を一般名詞に使う理由はありません。
おそらく、コンテスト参加者はPC-WRITEの「shareware」のことなど誰も知らなかったでしょう。

IMJの「shareware」を知っていたかどうかもわかりません。
IBM-PC以前なので忘れていたか、頭の片隅に残っていたかもしれません。

いずれにせよ、そのコンテストでおそらく「shareware」は再々発明され、市民権を得ました。

英語では営利目的でない商品やインフラなどの利用料は「share」とか「contribution」を使います。
shareという語本来の意味と、「shareware」のコンセプトは合致したので市民権を得たのですね。
つまり、「コストを負担するsoftware」で、「shareware」です。

ちなみに。
ウォレスはsharewareの商標を取得していません。(FluegelmanはFreewareの商標を取得したのに。)
ウォレスは独特の料金システムでお金持ちになったのに、
その名称の権利すら持ってないのは変です。
すでに在った単語だったなら、納得がいきます。

まとめると

おそらく。
・ウォレスは最初期の(今の意味での)shareware作家。ただしやり方はマルチ。
・sharewareという語を最初に使ったのはIMJのWriter。ただし現在のsharewareを想像していない。
・sharewareという語を今と違う意味で使ったのはウォレス。マルチの宣伝文句。
・sharewareという語を普及させたのはどこかのコンテスト。
・sharewareという語を今の意味で初めて使ったのはそのコンテストの参加者。
・今のsharewareという語のshareは「分担」の意。
・ウォレスのsharewareのshareは「利益」の共有という意。
・IMJのWriterのshareは現在の「共同開発」に近い意味。

このあたりの資料は紙で、
全文検索が使えない時代の資料なので。
証拠を探すのも提示するのもめんどくさいのでこの程度しか示せません。
英語の資料も気が向いたら探してみますが…

80年前後のPC雑誌が手元にあるなら、探せば同様の内容でのっているかと思います。
古い話が好きな人はどうぞ。


かなり適当な推測も含め、時系列順に並べて、終わります。

1980年頃
・IMJに他のいくつかの形態とともに「shareware」が示される。
shareはコスト分担の意。

1982年
・Andrew FluegelmanがPC-Talk作成。「Freeware」の商標を取る。

・Jim KnopfがPC-File作成。

1983年
・Bob WallaceがPC-WRITE作成。
マルチに触発された料金体系をつくり、その謳い文句である「share」を使う。
(ここでIMJのsharewareを知っていたかどうかは不明)

1985年
・Andrew Fluegelmanが「Freeware」の商標を放棄。後行方不明に。

1985年頃
・どこかのコミュニティが「shareware」を使い始める。
IMJとBob Wallaceが既に使っていることを知っているかどうかは不明。
みな「share」は分担の意だと解釈し、普及し始める。


・ウォレスが金持ちになり有名になる。

1990年頃
・ネットの普及と共に皆いろいろ忘れる。


・シェアウェアの歴史を誰かがまとめる。
最初のsharewareを探し、「PC-File」「PC-Talk」「PC-WRITE」あたりに辿り着く。
「PC-WRITE」が最初期のソフトで、たまたま今の「shareware」に近い形態であり、かつウォレスもソフトも有名だったため、
「PC-WRITE」の「shareware」と、IMJの「shareware」と、「全く意味の違う名詞」であったことが忘れられ、
「PC-WRITE」が「shareware」の起源という説が一人歩きし始める

・「share」が「利益共有」の「share」であることは忘れられる

2007年頃
Wikipediaに「ウォレスが起源」「配布してほしいからshare」と書かれる

2008年頃

どこかの掲示板で「れい」という匿名の誰かが「shareware」の起源について適当なことをでっち上げる <- 今ここ
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